ケーススタディ : DON & LOW

背景

Don & Lowのシステムの多くは2000年問題に準拠しておらず、すべてのビジネスシステムを置き換えることに決めました。S-Planは2000年問題対応プロジェクトの前に、最適なスケジューリング パッケージとして特定されており、選ばれたERPサプライヤとの戦略的パートナーであったという事実が、早期の決断の後押しとなりました。

企業プレゼンテーション

Don & Lowは工業用繊維製品を製造しています。同社は織布と不織布の2つの部門を持ち、主な織布市場は、床材、家具、布地、グラウンドカバー、ジオテキスタイルです。また、主な不織布市場は建築、農業、航空、ろ過です。

概要

織布の製造は以下の段階の通り。

  1. 押出:一緒に織り合わされるテープの作成
  2. ビーム:織機に挿入するためのビームへの経糸テープの組み立て
  3. 製織:テープから生地を作る
  4. 仕上げ:

布のロールは通常、約1,000リニアメートルで、幅は3~5リニアメートルです。布の長さに走るテープは、経糸テープと呼ばれ、ビーム(織機の幅である大きなスピンドル)上に組み立てられます。ビーム上のテープは20,000メートルの長さになるので、20個のロールを作ることができます。ビームは織機に取り付けられ、織りはじめる準備ができます。シャトルタイプの構成を用いて布の幅を横切って通過するテープは、緯糸と呼ばれます。 テープ挿入の頻度は典型的には布の10センチごとに26~90回の範囲です。緯糸テープの種類や長さ10センチあたりの緯糸テープの本数(布の構成)を変えることで異なる種類の布を製造することができます。

不織布

不織布プロセスは2段階プロセスと考えられていますが、S-Planのモデルは4~5段階のプロセスに繋がります。不織布には布を一定の幅にする3本の一次ラインがあります。 2台の機械は3.2メートル幅で、もう1台は 2.4メートル幅です。溶解ポリマーはダイを通して押し出され、ランダムにベルトに落下します。 しかし、布はラインの幅1メートルあたり最大6ブレードを使用してライン上で切断することができます。ここでGreyconのX-Trimトリム最適化製品の出番です。いくつかの最終用途では2センチほどの幅が必要となるため、布は更にトリミングするために仕上げ工程に進む必要があります。

S-Planでスケジューリング: 織布、予測作成

生産の第3段階ですが、製織はスケジュール設定に不可欠なプロセスです(押出加工とビーム加工の序列はその後定義されます)。

パフォーマンスと柔軟性

Don&Low Wovensには244台の織機があり、そうした多数の作業センターに対応するため、 S-Planを拡張する必要がありました。織機の数だけスケジューリングツールが必要でした。機械の処理速度はいくつかの注文基準(例:緯糸テープ数)に依存している場合があります。調整率を使ってこの状況をエレガントにモデル化しました。

統合

織布事業では5~6週間のリードタイムにもかかわらず、注文/分割注文の50 %は同じ週に配達される予定です。そのため、正確な予測が重要です。可能な限り正確なローリング13週間の予測を維持するため、販売部門と生産部門の週次計画会議が開催されます。予測は固定フォーマットのExcelスプレッドシートに入力され、自動的にERPシステムに取りこまれます。 会議で特定された布の需要の変化はERPシステムの計画担当者によって入力され、その後、自動的に統括マネージャを介してS-Planに転送されます。注文はS-Planに入り、最初にスケジュールされたときに注文プールと呼ばれるワークセンターに置かれます。ERPシステムにはS-Planから戻される2種類の主要情報(タスクの開始/終了日・時刻、生産指示が属するビーム番号)が必要です。

更新された織機計画レポートは、新しい注文、ビームおよび更新された日付/時刻を反映して作成され、次回の計画会議で議論されます。サイクルは完了です。

Don&Low要件に合わせて設計されています

Greyconは新しいS-Planの拡張機能であるDBO (ダイナミック ビーム オプティマイザ)を設計し、計画担当者が使いやすいグラフィカル インターフェイスを介してビーム上に生産指示を配置できるようにしました。計画担当者はS-Planでビームを作成し、その仕様(布の特性)を定義して、その上に生産指示を配置します。ビームは一連の指示としてガントチャートで表示されます。DBO生産指示内では、他のビームに移動したり、分割または結合することもできます。十分に検証が行われ、布の生産指示が仕様の異なるビームに配置されるとDBOが警告します。ビーム上の進行が DBOに表示され、許容される動作の範囲が適切に制限されます。 布の製造にはS-Planでモデル化するのが困難な多くの特異性があります。Greyconはこの特殊なケースに対応するため、非常に柔軟な方法でDBOを開発しました。

今後

製織では、現在S-Planで実装が完了したのは唯一、織布のみです。 今後は32本の押出ラインと3台のビームマシンがS-Planに追加されます。

S-Plan & X-Trimでスケジューリング: 不織布、個別受注生産

織布と違って、不織布のすべての段階はS-Planでリンクされているため、終了時にボトルネックが存在する場合、上流プロセスは適切にスケジュールされます。

統合

不織布事業は99%が個別受注生産で、ラインは1ヶ月前に計画されます。顧客からの問い合わせがERPシステムに入力された後、自動的に統括マネージャを介して S-Planに転送されます。問い合わせは S-Planで予約として予定されます。日付はERPシステムに返され、その後、営業担当者が閲覧することができます。日付が顧客の要求日から大きく乖離する場合は、営業担当者が顧客に連絡します。そうでなければ、 ERPシステムに注文が行われ、S-Planでの問い合わせは確定注文に置き換えられます。

必要に応じて、計画担当者がX-Trim を使ってデッケルすべき生産指示を選ぶと、結果のパターンにはデッケルシートの参照が付きます。生産指示をとデッケル情報はERPシステムに戻されます。ERPシステムが修正されたため、デッケル参照の入力時に、すべての生産指示データが利用可能で、適切なバーコードチケットが製品に生成されます。

メリット

不織布で経験した本当のメリットはX-Trimを使用したことです。X-Trimを使って節約された廃棄物の量はまだ確定していませんが、 X-Trimは最適なデッケルを探し出すのに要した時間を半分にしてくれました。

今後

学習曲線は非常に急峻で、S-PlanのアプリケーションとERPパッケージとの統合には多くの課題があります。執筆時にはスプレッドシートのシステムはまだ並行して S-Planシステムと実行されています。間もなくERPシステムの新たな改修で、この並列システムは必要なくなるでしょう。

結論

織布では、Greyconのソリューションは仕様と開発の集中期間を経て実現しました。不織布では、 ソリューションは更に複雑で、既存の手動システムと並行して進化しました。Greyconの社員は新しく馴染みのない課題に対し、製品の導入において主導的な役割を果たしました。押出加工とビーム加工にもS-Plan導入の計画があり、最終的にはすべてのプロセスをカバーするプランニング チェーンに繋がります。